ハルのせいで夏樹と真田君が補習を賭け期末テストに臨まなければならなくなった。ドンマイとしかいいようがない。しかもあの数学教師から怒られるなんて。
ハルのおかげで今回睨まれなかったからやったね!とか喜んでた。ごめん。赤点常習犯ですてへぺろ。
ということで、ヘミウングウェイで相談らしい。事の自体をよく分かってなかったハルがようやくやる気を出したところで夏樹が言った。
「とりあえず、勉強会だな。今夜、お前ん家行っていいか?」
ふーん、一緒に勉強するんだ。店長を弄りながら夏樹たちの会話に耳をそばだてる。私は友達と一緒になんて無理だからなー。集中切れて遊んじゃう。
店長を撫でていたら、ハルが私の隣に座った。
「ねー、名前は勉強しないの?」
「するけど、夏樹たちほど本気にしない」
今度も数学赤点取らなきゃいいやレベル。どうせ取るんだけど。まあいいや。文系科目はいいし。
「名前も一緒にやろうっ!」
「ハル、やめろ。どうせ名前、一緒にやりたくないって言うぞ」
言われると思ったセリフに私が口出す前に、夏樹がハルへ言った。流石幼馴染、よく分かっていらっしゃる。そこで付け加える。
「古典とか文系科目は教わりたいけどな」
「え、苗字さん、得意なの?」
「大体80か90取るぞ、こいつ」
「へー、すごい…」
真田君が感心したように私を見る。そんな真田君に否定するため手を振った。
「別にあんなんワークとか口語訳とか覚えとけば大丈夫だよ。助動詞覚えてるならなおさら楽勝」
「ええー…」
「名前、すごいっ!」
「その代わり理系科目はからっきしだけどな」
「うっさい!数学とか未知の世界だし!」
夏樹が馬鹿にしたようににやりと口角を上げる。くっそう、関数とか場合分けとか知るか!解けるかあんなもん!
椅子を引いた夏樹へハルが尋ねる。
「今日は釣りしない?」
「早めに夕食の準備しときたいから、先に帰る。じゃあ、後でな」
それだけ言って夏樹は店を出て行ってしまった。海咲さんは海咲さんで、昔を懐かしんで遠い目をしている。
私も帰ろうかな、と席を立ったとき。
「夏樹、怒ってないかな…?」
真田君がぽつりと不安そうに呟いた。あぁ、夏樹分かりにくいしね。そんな彼を助けてあげようと口を開いた。
「大丈夫だよ、真田君。全然怒ってないから。じゃあね」
「え、あ、」
「名前、ばいばーいっ」
真田君が何か言おうとしたけど、ハルの言葉にかき消えた。まあいいや。ハルに対し、私は振り向かずに軽く手を振って返事にした。
……私もテスト勉強、するかなー。とりあえず英語に手つけよう。数学は…置いておこ。
将来がどうとか、そんなの
テストって本気で何のためなんでしょうね。冬のテストのためにやっている奴が言います。私が勉強しろよっていう。
夏休み全部補習ってのも、先生大変だと思いますけど。
一緒に勉強はしないだろうなーと思いこんな終わりで。これは短いですが、学校探検は長くなったという。いつあげられますかね。