荒神先輩とずっとひとりぼっちだった女の子が寄り添う「This Love」、いかがでしたでしょうか。
先輩の夢小説は書きたいところだけ書き、短編に放置して結構な話数になっていました。それを読み返すとあまりにも説明が足りず、完全に私の脳内を経由しないとわけの分からない話になっており、それなら書き直そう! ということになりました。ほとんど書き直すどころか一から書いていたりいなかったりです。さすがに短編よりも筋は通っているかなと思います。
バディファイトは姉がブシロードでバイトをするのがきっかけで出会いました。「アニメもあるんだ、ふーん」くらいの軽い気持ちで見たらあれよあれよとハマりなんだかんだ四年以上(流れ視聴も含めると)見ていることに。ホビーアニメはハマると二年はハマるんですよね。それで大体皆去ってるんですよ。悲しい。
私は戦国学園編から入ったクチで、ちょうど荒神先輩が活躍した頃でした。最初は「テンプレ俺様敵キャラだ」という雑な印象だったのですが、意外と面倒見が良かったり表情が豊かになっていったり一途(重い)だったり。銀髪褐色というビジュアルも相まってすぐに好きになりました。
もうそんな荒神先輩に会うことはないんですね。三期あたり(正直二期も怪しかったですが)からいろいろとおかしくなって文句もかなり言っていたのですが、やはり長年見ていてバディファイトというアニメが好きだったので悲しいです。こういうことがあるからホビーアニメにはもうハマらないと決めていたのに……。
以下解説とか解釈とか。スクロールでお気づきでしょうが無駄に長いです。以降を読むのは自己責任でお願いします。もしかしたら不快になる方がいるかもしれないので念のため。あくまで私の解釈であることをご承知の上進んでください。
ここで戻る方、ここまで読んでくださりありがとうございました。何か胸に感じてくださったなら幸いです。
まだ根気強く読んでくださる方は解釈と解説に続きます。
私は好きになるとすぐに夢を考えたがるダメな夢女なので、とりあえず荒神先輩はふわふわした可愛いいい子は好きにならないだろう、から始まりました。もし彼が好きになるとしたら、自分と同じような境遇、同じように独り、自分を怖いとは思わず、無理矢理首を突っ込まないいい距離感の子だろうと。
そんなわけで天涯孤独、自分もずかずか距離を縮められるのは好きじゃないから聞いたりしないけど、別にいい子では決してない、でも独りだったから一途(重い)女の子になりました。共通点はあれど自分に自信がないところやなんだかんだどうでもいい他人の目を気にしてしまうところなどは違います。
明るく前を照らす太陽のような存在ではなく、傍に寄り添う月のような存在です。太陽は牙王君がいますので。一匹狼の先輩には誰か隣にいる存在が必要だろうと思いました。それにあんまりにも先輩が不憫すぎたので、幸せになってほしくて。恋愛をする=幸せ、ではありませんが、家族がいなかった荒神先輩も少しくらいそんなことを考えていたことがあってもいいんじゃないかなあと勝手に。野性味溢れる点が荒神先輩の魅力のひとつであることには違いないのですが……。
荒神先輩、本当に女の子との接点がソフィアちゃんくらいしかいなくて、しかもそのソフィアちゃんでさえ描写が少ないため、女子に対してどう思っているのか不明なんですよね。斬夜みたいに苦手なのか、それとも興味がないのか。関心を持ったらどうなんだろうかとか。結局最初は照れがあるけど慣れたらぐいぐい行くタイプにしました。奥手かもしれませんけど、斬夜と被りそうなので。真面目に性的な知識とかあるのか気になります。いろいろな意味で。キス=愛情表現くらいは知っていてほしいという願望。
夢主は周りの人間に「家族がいない」点で劣等感を抱いているし、才能にも嫉妬するし、牙王君みたいな子はきらきらしていて苦手だし、(大事なものを守るためなら何でもするとはいえ)行動力はないし、あんまり夢主にするには相応しくない気もしますが、何でも受け入れてしまうようないい子よりは現実味があるかなと……。人は簡単に成長できる生き物ではないので荒神先輩と一緒になってもきっと根底は変わらないです。
素直ではありませんし正直陰湿さもありますが、自分の価値観、世界観はあるので自分の基準がぶれない、ある意味まっすぐな少女ではあります。でも自分に力はないし誰も助けてくれなかったので「全世界なんて、全人類の命なんて重すぎる。そんなものは牙王やタスクに任せればいい」というだけあって自分が好きだったり信じられたりする人以外には冷たいです。
総帥のことなので先輩の帰りが遅かったら監視して夢主のことを知ってディザスター勧誘とかありそうなんですが、「何にも関係ない少女といい距離感の先輩」というスタンスを崩したくないためご都合でいきました。死ぬほどややこしいことになりそう。
ご都合といえばまだ臥炎財閥あったり総帥は総帥だったりバディのSD化だったり、荒神先輩義務教育は? みたいな感じなんですが。正直オールスターファイト(?)で「バディファイト大好き」という紹介しかなかったので、総帥である可能性がゼロに近いんですよね……。もういいです。
総帥に対する荒神先輩なのですが、友人であり兄弟であり神様とも感じている、と思っています。とても大事な存在。恋愛とか何だとか安易に言えるものではないかなと。スラム街から救ってくれた恩人、神様だからずっと協力したいし、できることなら傍にいたかった。
「いつか神様〜」でもちらりと書きましたが、総帥は本当に大事な存在で、でも夢主は夢主で大事で、二人を比べるということがそもそもできない。別のベクトルで「一番大事」だからどっちが一番とかない。女の子としては腑に落ちない答えだけど、それはそれでアリですよね。
私は名前を大事にしているので、「荒神ロウガ」になる前にあったであろう先輩の名前も気になるのですが、彼はすでに自分を「荒神ロウガ」として受け入れているし、「荒神ロウガ」として生きていくから、夢主には「ロウガ」と呼ばせます。先輩は名前自体に関心はありませんが、総帥からくれた名前は大事なのではないかと。だからあのときは「ウルフ」として振る舞っていましたし。初登場時の気持ちは分かりませんけど。
オリジナルバディモンスターの件ですが、正直あまり出したくはありませんでした。ただでさえ夢主という原作にいないキャラクターが存在していて話に入りにくいのに、まだ知らない奴がいるのかと。
本来ならオリジナルではない方が良かったんですけど、私はカードをやっているわけではないですし、アニメにバディモンスターとして出てくるかも分からなかったので……。夢主が「短気で口が悪く手が出やすい」のは周りの影響ということを伝えたかったのでアガレスを、かといって夢主だけだと彼はキレないので彼を煽る存在としてカルラを出すしかありませんでした。あと荒神先輩を鍛えさせる相手が欲しくてなんかめちゃ強い感じになってしまいました……。
周りの影響とかきちんとした保護者枠は拾ったっていう神父がやればよかったんじゃないか? ってなると思うんですが、一応キャラが固まっている人物で……名前もありますが余計混乱を招くため神父さんとしか呼称していません。なんで神父なのにいろいろ飛び回ってるんだっていうのも理由はありますが割愛しています。先輩と夢主の話にはいらないものなので。
バディ二人が夢主に甘いのは、さすがにここでバディも夢主に厳しいとさらに自己肯定感がなくなるからです。あと疑似家族をさせたかった。
夢主含むオリキャラが既存キャラに辛辣だったりするのが嫌な方もいることは承知なのですが、人間(?)誰とでも仲良くなれるわけではないと思いますので。
言い訳だらけです……。
各タイトルについて。
「春には遠く」。春=恋にはまだ遠い。
「ゆるやかな夜に惑う」。夜=夢主。先輩ってフルネームか名前呼びですよね。
「ことばになるまでまってる」。先輩って気持ちを言葉にするのが下手そうなイメージです。
「わたしもあなたもくるしい」。先輩は悲しみで胸が苦しいけど、夢主は恋して胸が苦しい。
「極彩色の光に包まれて」。極彩色の光=ステンドグラスのことです。
「貴方を想えば冷える爪先」。爪先どころではないのですが。牙王くんたちが家族に会う時間があったので、そのあたりです。
「君を絆すは一天の闇」。一天の闇=総帥。総帥は先輩の中でかなり重要な存在なので。
「I always with you.」。私はいつでも貴方と共にある。
「ダフニスの宝物」。ダフニスとクロエーから。恋を自覚したのはクロエーからでしたね。
「いつか神様だった人へ」。総帥は実際に本当に神になろうとしたし、前述の通り先輩にとっては神様でもあったと思います。
本題の「This Love」はアンジェラ・アキからです。「重ねたこの手を今度は離さない」「信じる力が愛(二人)を自由にする」「奇跡を待つよりこの手を繋ぎたい」「あなたを抱きしめる時、その腕の優しさを平和と感じるのでしょう」「この恋が引き裂かれそうになった」……なんかもう全体的に荒神ロウガと夢主の話にあまりにも沿っているんですよね。
それに関係なく、とてつもなくいい曲です。youtubeに公式が上がってるのでよければ聞いてください。
家族がいない二人が出会い、恋をして、お互いを愛するまで。読んでくださってありがとうございました。読んで良かった、甘い気持ちになった、先輩が恋をしたらこんな風かもしれない、少しでもそう思ってくだされば夢書きとして、先輩好きとしてこの上ない幸せです。本編としては完結しましたが、まだまだ二人の物語を書いていきたいと思っています。
もう先輩には会えないけど、バディファイトでは「荒神ロウガ」が一番好きです。
2019.03.04
――――もう離れずに、そばにいて。
――――ああ。もうお前を……独りにしない。