ナースも
男の夢なのです




※「それは男の夢なのです。」続編です。R18になりますので、18歳未満の方はご遠慮ください。





「き、聞けばいいんだろ、聞けば。…い、痛いところは…どこですかー…」
「うーん、強いて言えば、心かな…」
「もっと打ち砕いてやろうか?この変態」

静雄はベッドの上で寝そべる臨也をぎろりと睨んだ。臨也ははあー、とわざとらしくため息をつく。ため息をつきたいのは間違いなく静雄の方であるのに。

「ナースはそんなこと言わない」
「ナースじゃねえから」
「思いっきり着てるのに…」
「おまえがうるさいからだろ!!てかなんで持ってんだよ…」

ありえねえし…と静雄は呟き、頭痛がするのか目と目の間を指で押した。今、静雄は桃色のナース服姿である。目の前のこの変態顔負けの男が当然の如くクロゼットから出してきたナース服。ご丁寧にストッキングや女物の下着まで用意されていた。

「こういうことがあるかもしれないからと思って」
「ねえよ!…くっそ、」
「でも着てくれる、君が好き」
「着ちゃう俺が、嫌いなんだよな…」

臨也は上機嫌でにこにこ笑っている。先ほど写真を撮ろうとして静雄に携帯もデジカメも粉々にされたのに、にこにこ笑っている。

「でも、元はと言えば、シズちゃんのせいでしょ」
「…あれは、お前が…料理中に、手ぇ出してくるから…」
「…あ、思い出したらまたおでこズキズキしてきた」

ちっとも痛そうに見えないが。というか、ぶつけたことすら忘れていただろう。臨也はベッドの端に座っていた静雄の手をぐいと引いた。静雄の肩は、びくりと揺れる。

「…乗って」
「、……」
「癒してよ、…ね、ナースでしょ」

ちゅう、と耳を吸われ、静雄はぎゅっと目を瞑った。…というか、まあ、これを着た時点で…いや、あのキッチンの時点で、自分も、隠しきれないところまできていた。静雄は臨也に負けないくらいにわざとらしくため息を吐くと、がばっとベッドの上に乗り、臨也に跨った。臨也の唇がにいと上がる。

「…何にも変えがたい、絶景だね」
「、うるせえ…」

黙ってろ、と静雄は臨也の唇に吸い付いた。お互いの舌が絡まりあう。静雄は既にこれだけで頭がぼんやりとする。これはいつものことだが、臨也には知られないよう必死に平静を装った。

「…、ん、っ…は、ん、」
「……、ん」
「ふ、…っは…んあ、」

唇を離すと、とろぉ…と粘着性のある糸が二人を繋いだ。静雄は唇の端のそれを舐め取ると、そっと舌を臨也の額に這わせた。

「ん、…っん、んう」
「…、はは、くすぐった、」
「っ…は、…おまえが、…癒せって…」

とろんとした静雄の瞳を見て、臨也はそっと優しく静雄の髪を撫でた。そして、ぐっと腰を静雄に擦り付ける。静雄は後ろに感じた存在に気づいたようで、赤い顔のまま臨也を睨んだ。

「、……」
「でも今はおでこより、…こっちのが、診てほしいかな」
「…診察するまでもねえ。頭までどうしようもねえし」
「原因は俺の目の前のナースなんだけどなぁ」

臨也は静雄の耳にそうっと、低く「なめて」と囁いた。静雄は臨也を睨みつける視線はそのままに、だがゆっくりと身体の向きを変える。臨也の方に尻を向ければ、タイトなミニスカートがぴんと張って臨也の顔の前で太股が露になった。

「…はは、…っ、治りそうも、ないかな…」
「、ッんあ!?」

下着をずらし、臨也の反り勃ったものを見て静雄がごくりと喉を鳴らしている間に、臨也は静雄の後ろをストッキングごしにぐいと舐め上げた。静雄はいきなりの刺激に身体を大きく震わせる。

「あ、っ、ああ、や、…ッ、ん、んん、」
「、ん…ちょっと、シズちゃん…わかってるから、そんなにねだらないで、」
「ね、ねだってなんかぁ、あ、っあ、」
「腰動いてるし、…ふは、」

臨也は一度静雄の蕾から舌を離す。女物の薄い下着とストッキングが、臨也の唾液でじんわりと滲む。消えた刺激に静雄は物欲しそうにこちらを振り返った。

「、あ…臨…」
「ほら、早く…俺の方をどうにかしてよ、」

臨也は静雄に顎で自分のものを示す。静雄の熱い息が直接かかって、臨也も余裕なんてあったものじゃなかった。というか、静雄がナース服でここにいるというその姿だけでも随分危ないのだ。

「ん…、…し、かたねぇな、…」

未だぶつぶつ言いながら、静雄は舌を突き出した。生暖かい感触が、臨也のものを下からゆっくりと刺激する。臨也はごくんと唾を飲み込み、そっと手を伸ばして静雄の穿いているストッキングをずり下げた。

「…あっ、…ん、…は、あ、」
「うん…シズちゃん、もっと…上の方」
「ん、…ん、んうっ」

ちゅ、ちゅううっと静雄の唇の音が聞こえ、臨也は満足そうに口角を上げる。そして、静雄への愛撫も再開する。今度は下着の上から、たまに中へ滑り込ませて。臨也の舌の感触に、静雄は我慢できず声を漏らす。ちゅぼ、と静雄の唇が臨也のものから離れてしまう。

「っひゃ、あ、っ…い、いい、臨也、もっと、っ…もっとお、っ」
「、喜んでくれんのは、いいけどさっ…シズちゃん、」
「あっ、あ、ひゃああっ…や、パンツ、じゃなくてえ、っ…もっと、ちょくせつ、」

首を振る静雄の金髪が、些細な刺激になって辛い。臨也は長いため息をつくと、ぺちぺちと静雄の太股を優しく叩いた。

「…しょーがないナースだなぁ、治療もろくに、できないじゃん、」
「ふ…あ、だから、…っ、ナースじゃ、なあいい…」
「まあ…可愛いから、いっか…」

臨也はふっと笑うと、静雄に起き上がるように言う。静雄は頷き、臨也の身体の上から一旦退いた。その身体をベッドに横たわらせ、体勢を交代する。静雄は天井と共に臨也の顔を見た。

「あ…い、臨也…」
「…スカート、持って」

臨也は着ていたシャツを脱ぎ、適当に放った。静雄はふるふると震えた手で、自分のナース服の裾を持ち上げる。膨張した静雄のもので、はち切れんばかりに張った女性用の下着がきつそうで臨也は思わず笑ってしまった。

「、わ、わらう、なっ!」
「、ごめんごめん、だって、…可愛いんだもん、」

ぴんと指ではじけば、「ひゃあっ」と一際高い声で鳴いた。微妙な位置で脱がされているストッキングと一緒に下着を取り去ってやれば、ぶるんと静雄のものが上を向く。

「…シズちゃんも相当、」
「あっ…あ、はあ…も、はやく、」
「ああ、…カメラを壊されちゃったの、勿体なかったなあ…」

臨也は苦笑して言うと、静雄の足をぐいと持ち上げる。露になる後ろの蕾に、自身の指を二本挿し込む。きゅうう、とナカが思い切り締まった。

「っ、んんん!あ、ああ、っ…ゆび、っ」
「うん…」
「ふあ、っ…あっ、あっ、も、」

がくがくと奮え、じんわりと静雄の瞳に涙が溜まる。塩辛い、だがどこか甘いそれを舌で掬い取れば、静雄がぼんやりと目を開けた。もうそれは快感に溺れきって、蕩けそうなくらい。普段の強気な静雄もいいが、こういう表情もたまらない。

「んっ…んうう、もお、っ…いざや、」
「はー…そうだね…」
「あ、あ…あああ…あ…」

増やして三本になった指を、臨也はゆっくり引き抜いた。静雄の瞳が臨也を映す。臨也もそれを知っている。自分の限界が近いことも勿論わかっている。だが、…譲れないものも、ある。

「…ねえ、…ナース服着たら、定番のセリフ、…言って、」
「…はあ…?」
「わかる、でしょ」
「…わ、わかんな…っ…わかんない、」
「いや、…わかるよ、」
「っ、だ、…だって、おまえ、…せ、せんせいじゃ、ないから、あ」

わかってんじゃん、と臨也はにっこり笑った。静雄は真っ赤な顔で首を振るが、臨也は引き下がらない。静雄の頬に、額に、唇の端にちゅっちゅっとキスをおとす。

「、やだ、…っ、い、いわないいい、」
「なんのためにナース着てんの、」
「こ、これはべつにっ…、あ、もお、いざや、おねがいだからあっ」
「俺も、お願いだから…。…さっき、フェラ上手くできなかったじゃん。これで帳消しにしてあげるから、」

何が帳消しなのかもよくわからないが、臨也は低く、静雄の好きな音程で耳元で言ってみせる。これに静雄は弱いのだ。はあ、は、と静雄の息づかいがすぐ隣で聞こえる。

「っ…、…い、…いっかいしか、いわない、っ」
「充分…」
「、う…あ、…っ、せ、…せんせえの、っ…先生の、おちゅうしゃ、ください、いッ!」

ぞくぞくっと臨也の背中を快感が走り抜け、なんとか唇を噛んで堪える。油断していた、危なかった。ぐっと静雄の蕾に自身を宛がい、そのまま突き入れた。

「ッ、あ!あ、ああああっ…は、くるっ…う、」
「、もっ…シズちゃんってば、…っ、煽るの、うまいよねっ」
「ひゃっ、あっあっあっ、あっ、ああっ、おく、」
「心配しないで、…たくさん、あげる、っから、」

いきなり早く抜き差しを繰り返す。ぐちゅ、ぱちゅ、と厭らしい音が響き渡り、二人の息と重なった。静雄が臨也を見つめれば、臨也は余裕のない中でも微笑んで、その唇にキスをした。

「んっ、ん、ん、ふっ…あ、も、…っ、いざや、いく、いくっ…ひゃ、ああ、ッ」
「うん…いいよ、っ…俺も、」
「あっ…あ、あ、あっ…あ、あ、ああああああッ!!」

びゅるっと静雄の反り勃った先から白濁の液体が飛び散り、ナース服を染めた。臨也もそのまま、静雄のナカへ熱い液体を注ぐ。びく、びくん、と静雄の身体が小刻みに震えた。

「あ…あ、…い、っぱ……で、でて、る…」
「…俺の注射、効いた?」
「、……ばか、…」

セリフを思い出したのか、静雄は頬をかっと赤く染めた。そうっと目を閉じれば、もう一度唇にキスが降ってきたのがわかった。そのまま静雄は気がつくと眠りについていた。






翌朝、臨也が妙に上機嫌でイヤホンを耳につけているので、何を聴いてるのかと聞いてみた。そして聞いて後悔した。ふつふつと怒りが沸きあがる。

「いや〜、録音機器だけは隠しといてよかったぁ!」
「……臨也ッ…まさか……その…データの中身はっ…」
「うん、ナースのシズちゃんの、注射をねだ…」

答えを全て聞かなくたってわかった。もう金輪際、あんなもの着ない。あんなこと言わない。とりあえず、音楽プレーヤーと一緒に一発殴りを入れておいた。




-------------
10000hitフリリク:アサ様
「「それは男の夢なのです。」続編、R18」

お待たせいたしました〜!
リクエストありがとうございました!!

なんだか…臨也が変態ですみませんwwww
ただのナース服エロの話になってしまいました、が…!
こんな感じでいかがでしょうか><よければお持ち帰りも可能ですので…!

これからもサイト共々、どうぞよろしくお願いします!


Like Lady Luck/花待りか
-------------

201105




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -