「人から猫に変わる事なんてあるのかな……」
ケーキを食べながら自問自答。小説じゃああるまいしありえない
「うーん、やっぱ気のせい?」
しかし猫が人間の言葉をあそこまではっきり理解するなんてことも普通無い。
考え事をしながらケーキをもぐもぐたべていると、いつの間にかメッシュ猫が近くにきていた
「ありゃメッシュ猫くん、どうしたのー?……お腹でも減った?」
メッシュ猫くんは先程の〇
を書いた紙を咥えていた
「え?何どうしたの」
そしてぐいぐいと袖を引っ張るメッシュ猫くん。なにかあったのだろうか
「こっち来いってこと?」
引っ張られるまま冷蔵庫の前に行くと、そこには相変わらず神輿に乗った黒猫と先程よりは落ち着いた紫猫
「ごめんよ放置して、何かあった?」
「いや、こちらこそすまなんだ」
「……キャーー!?い、いましゃべ……っ?!」
「おお通じた、愉快ユカイ」
喋ったのは恐らく黒猫さんのようだ。声からして男性で私より年上だろう
「あ、あのう……?」
「とりあえずこの二人のために飯を用意してくれるとありがたい」
「あ、えーと、はい……。あの、お二人共猫……じゃ、ないんですよね……?じゃあ人間と同じご飯の方がいいかな」
とは言いつつも何を食べさせていいのか分からず、とりあえず前に資料として買った『猫の飼い方』を引っ張り出しご飯の項目を開く
「鶏ササミ……鰹節……ご飯……これでいいか」
本を片手に、茹でてパウチされた鶏ササミ肉を冷蔵庫から取り出し、鰹節とご飯に混ぜ合わせ小さいお皿に盛る
「はいどうぞ、犬食い……猫食い?になっちゃうのは我慢してくださいね」
出してみると2匹……2人?は手をつけようとしない
「主らよ、我が見ておった故安心して食せ」
黒猫さんがそう言うと、最初は恐る恐る、そして段々とご飯を食べてくれた
「黒猫さんの分もありますけど、お腹減ってます?」
「いや、我は良い」
「じゃあ取っておきますんでお腹減ったら言ってください。」
2匹はご飯を食べると、何やら猫達は私に少し頭を下げた
「……お礼?なのかな?どういたしましてー」
律儀な猫さんたちです。そして何やら猫2匹が黒猫さんににゃーにゃーと伝えている様子
「黒猫さん、そちらの方たちはなんて言ってるんです?」
「ヤレ、我には分からぬ。ヒトの言葉を得たからか……」
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