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『…ん?』

食事中、ふいに氷柱が顔を上げた。
きょろきょろと辺りを見回して、首を傾げる。

「どーひた、氷柱?」

握り飯を咀嚼しながら銀時が問い掛ける。
その隣で、桂が銀時を軽く睨んだ。

「銀時、行儀悪いぞ」

『あのは、今、らんかひほえらかった?』

桂の言葉を華麗に無視して、氷柱も握り飯に噛り付きながらそう言った。

「氷柱殿、人の話を聞け」

氷柱はえへへ、と笑った後、ご飯を飲み込んで言い直す。

『あのさ、今、何か聞こえなかった?』

「…いや、何も──」

桂は言いかけた言葉を飲み込んだ。
しばらくの空白の後、氷柱に向かって頷いてみせる。

「…猫、だな」

心なしか、嬉しそうな表情を浮かべて呟く。

『やっぱりそう思う?』



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