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「氷柱…?」

名前を呼ばれて、はっと我に帰る。

『…近藤さん!』

近藤さんが、目を見開いて私を見ていた。

「本当に…氷柱なのか…?」

呆然としている近藤さんの後ろから、総悟がひょこんと顔を出した。

「近藤さん、確かめる方法がありやすぜ」

そう言って、総悟は近藤さんに耳打ちする。
確かめる方法って何だ?
ていうか、何を確かめる気なんだろう。



「氷柱ちゃん」

『ちゃん付けすんなァァァ!!!!』

私は反射的に、近藤さんにアッパーを決めていた。

「…あ、本物だ」

総悟が奇妙な笑みを浮かべながら呟く。

『わ、ごめん近藤さん!!』

ドサッと音を立てて、近藤さんが地面に激突する。
私が慌てて駆け寄ると、近藤さんは意外にも笑っていた。

「ははは、相変わらず元気そうで安心したよ」

その言葉に、私も思わず笑みが零れる。

『そっちこそ、元気そうじゃん』

トシや総悟を見ると、彼等も笑っていた。


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