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「氷柱殿!!また顔を怪我しているではないか!!」

宿舎として使っている廃墟に戻って来るなり、桂に怒られた。

『うるさい!!ヅラ!!』

「ヅラじゃない桂だ!!」

直後、パーンッと小気味良い音が響いた。
同時に、頭に痛みが走る。

『!?』

「お前ら二人ともうるせーよ」

顔を上げると、高杉と目が合った。
…ごめんなさい、目が恐いです。



──あ。



そういえば…こんな奴、何処かで見たような…。
うぅ、思い出せない。

「…氷柱?どうしたがか?」

『…え…?』

いつの間にか、坂本が目の前に座っていた。

「顔色が悪そうに見えたきに」

『………』

私は立ち上がって、扉の方に向かった。

『ちょっと、外の空気吸って来る』


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