B





──ミツバ…。



「…氷柱!!」

『…えっ?』

名前を呼ばれ、私の意識は現実に引き戻された。

「氷柱!!危ねェッ!!」

『…ッ!?』

突然、頭上で銀色の刃が閃いた。
咄嗟に避けた直後、刃は私の頬を掠めて地面に突き刺さる。

『…ふぅ…』

「氷柱、大丈夫か!?」

白い羽織をはためかせ、銀時が駆け寄って来た。

『大丈夫。ゴメン、少しボーッとしてた…』

軽く頭を下げて謝ると、銀時は首を横に振った。

「無事ならいーんだよ。氷柱、無理すんなよ?」

そう言って、銀時は大きな手を、私の頭に置いた。



──氷柱ちゃん、無理…しないでね…?



ミツバの声が、銀時の声と重なって聞こえた──。


[*前] | [次#]