A


桂と氷柱が歩き始めてから10分後。

『…ヅラ、何をどうしたらこうなるの』

「ヅラじゃない桂だ。…俺にも分からん」

二人は、武装した天人に囲まれていた。

『あーぁ、銀時の時と同じパターンか』

そう言って、氷柱は刀を鞘から抜いた。
銀色の刃が、日光を反射してきらりと光る。

「囲まれたのか?」

『…というか銀時が囲まれてた』

桂の問いに答えながら、氷柱は刀を構える。
隣で、桂も刀を構え、戦闘態勢に入った。

『…ヅラ、お腹減ったからさっさと片付けるよ』

「ヅラじゃない桂だ。俺もちょうど空腹を感じていたところだ」

氷柱は身体の向きを変え、桂と背中合わせの位置に立った。

『…行くよ』

二人は、同時に地面を蹴った。



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