普通じゃねえ
「…ねえクラウド。」
「何だ。」
「…まずはお礼を言っとくよ。クラウドのお陰で何とか宝条の実験台になることは避けられたと思う。あのままだったら、多分自家製の薬品飲まされてたと思うし。ありがとう。」
「優等生の面を持っていたことに感謝するんだな。」
「めっちゃ憎たらしい言葉だが今回はそのお陰だから寛大な心で許してやろうと思う。」
「何故上から目線なんだ?」
「まさかの立場逆転劇だぜ。」
「感謝した意味がないな。」
「まあ、それは置いといて。
クラウド君、どうして私を弁護した時の理由があまりにも酷かったんだい?」
「ああ、『路上で腹壊しました』って言ったことか?」
「それだよ!仮にもじぇーけーな私!それを腹壊してトイレに行ったと嘘を堂々と話すクラウド!そしてそれを伝えられた時、みんなの私を憐れむ目!!私、学校に恥かきに行ってるわけじゃないのに。」
「良かった、まだ『仮にもじぇーけー』だという自覚があったか。」
「私の話聞いてた?」
「…取り敢えず安心しろ、クラスメートのあの目は『またか』という訴えの目だ。」
「またって何!?私、そんなに事を荒立てた覚えがないんだけど!」
「…何言ってんだ?」
「へ?」
「まず入学式当日に遅刻した挙句校長の話の途中でいきなり扉を開けて堂々と入ってくるし、」
「ぐふっ。」
「問題児だという先生の目に何を勘違いしたのか『先生私生徒なんで〜』とか言って馬鹿丸出しにするし、」
「ぐはっ。」
「遂にはアイツら俺にお前を押し付けてくるし。」
「…あれ、私って意外と問題児?」
「当たり前だろ。」
「なんてことだ、私の普通なハッピーライフが!」
「そんなこと言ってるから普通になれないんだよ。」