夜空の中で
夜遅く、いつものようにカジノを出て支援課ビルの裏口へ向かうランディ。
(・・・?)
ドアを開けようとしてふと、屋上から人の気配を感じる。
(こんな時間にまだ誰か起きてんのか?)
ドアを開けたランディはそのまま自室へは向かわず、屋上を目指すため階段を上っていく。
ギィ・・・
「まだ起きてたのか、ロイド」
「あ、ランディ・・・おかえり」
屋上のドアを開けると、そこには柵に寄りかかりながら夜空を見上げているロイドがいた。
ランディは後ろ手にドアを閉め、ロイドの横へと動く。
「何してんだ?こんな遅くまで」
「ちょっと眠れなかったから星を眺めてたんだ」
そう言われてランディも星を眺める。そこには無数の星々が散らばっていた。
「俺さ、星と人って似てる気がするんだ」
「へぇ・・・どの辺が?」
「星って何千、何億とある中で一つ一つちゃんと名前があったり輝き方が違ったりするだろ?人も世界中にたくさんいてその一人一人に名前があって違う個性を持っていてさ。そんなところが似てるなって感じる」
なるほどと思いながら星を見続けるランディ。
「だからね、ランディ」
ポスッとランディの左肩に寄りかかるロイド。
重みを感じたランディは目線をロイドの方に向ける。
お互いの目が合うと同時に夜空を彩る星のように輝いた笑顔を浮かべながら
ーーそんなたくさんの人達がいる中でランディに出会えたことがすごく嬉しいーー
と、ロイドが囁いたーー
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