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「それにしても、君達は随分虐待にしては手ぬるかったねぇ。
良心が咎めたのか、はたまた…彼女が怖かったのかな?
まぁ、どうだって良いけどね」

「嘘、嘘よ…そんな…隼人さんが…」

「嘘じゃないって、本当は理解してるんだろう?
考えれば、すぐ分かる事さ。そもそも赤の他人にあそこまで関わるのなんて、何か目的があるのが殆どだ。君だって聞いたじゃないか、どうしてそこまでしてくれるのか、って。答えは簡単さ、君に復讐するのが目的だからだ。
結城隼人なんて居ないんだよ、真崎美里さん」

美里の中で何かが音を立てて崩れて行く。
そんな美里を追い詰める彼の言葉は止まらなかった。

「それに…忘れてない?誰が君の母親の首を締めたのか」

はっとして玲子に駆け寄る。
ぴくりとも動かない彼女は、息をしていなかった。

「いや…嫌っ!」

「何が嫌なのさ?
首を締めたのは君自身じゃないか。誰も締めろなんて言ってない。君が、望んで、そうしたんだ。
…覚えてるだろう?その感触」

賢斗の言葉に、再びあの感触が蘇る。
やめてと叫ぶ玲子を無視し、どんどん力を強くした。
玲子の声が聞こえなくなってからも、ずっとずっと締めていた。

ーー自分の意志で。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

美里は絶叫した。
この身に起こっているのが現実だとは認めたくなかった。
隼人なんて居なかった。
自分で母親を殺してしまった。

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