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「いえ…そんな方は…」

「そうですか…
一度、是非美里さんと話し合って下さい。見た目が優しそうでも中は凶悪だった、なんて事も珍しくないですから。
最近、この辺で誘拐も起きているようですし…」











「…何かあってからでは、遅いですからねぇ?」









最後の斎藤の言葉に玲子はぞくりとする。
彼の声はそれまでと打って変わってとても冷たかった。
それに、気のせいかくすりと言う笑い声が聞こえたような…

慌てて礼を言い、電話を切る。
帰って来ない翼と、見知らぬ男と親しげな美里。
先程の斎藤の言葉が不安に拍車をかける。
どうにも嫌な予感がして仕方がない、と玲子は一人不安を噛み締めた。



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