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漆黒の闇の中を賢斗は、口元に微笑を浮かべ歩く。
「さて…経過は順調、かな?
そろそろ、お母様にも舞台に上がってもらおうか!」
さも楽しそうに嗤って、賢斗は歩く。
彼の周りで、舞台はもう既にゆるやかに動き出していた。
「君が選んだのは、ダイヤのエースだ、真崎翼。
その先に待つものが何なのか、自分自身の目でよく確かめると良い。
真実はいつも、救いであるとは限らないんだよ?」
クスリと笑いながらここには居ない依頼人の名を呼んで、賢斗は闇に溶けていった。
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