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「そうだ、僕の電話番号を教えます!
何かあったら連絡して下さい」

「えぇ!?
良いですよ、そんな…」

「でも、一人では心細いじゃないですか。
僕と美里さんはもう知り合ったんです、無関係とは言わせませんよ?」

そう言っていたずらっぽく笑った隼人は自分の電話番号を書いた紙を美里に渡す。
断る事も出来ず、美里はその紙を受け取ったが、内心喜んでいる自分がいるのも事実だった。

何度も礼を言う美里に笑って気にする必要は無い、と言った隼人と別れ、美里は帰路へと向かう。

出かける時はどこか沈んでいた心が、隼人と会った事で軽くなったのを感じた。

予定よりも帰りがすっかり遅くなった美里を待っていたのは、漆黒を纏う青年、雨宮薙だった。

金縛りに会ったかのように身体を硬直させた美里を見つけると彼は口の端を歪めて笑った。

それはまるで、友との久しぶりの再会を喜ぶかのように暖かく、しかし美里を拒絶するように冷たい。

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