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喫茶店の中でも奥の席に陣取って、隼人と美里は向かい合う。

運ばれて来た紅茶を啜りながら美里は隼人の様子を伺った。
彼は、穏やかな笑顔を崩さぬまま優しく言った。

「無理に話さなくてもいいですよ。
ただのお茶会ですから」

美里を気遣って言ったであろうその言葉に安堵を覚えた美里はポツリポツリと語り出した。

ここ数日、義理の姉である翼が帰って来ない事。

不気味な青年に会った事。
彼は自分を知っていた事。

意味ありげな言葉を残して行った事。

義父や火事の事は語らずにそれだけ話すと隼人はそれまでの笑顔を消し、何かを考えるかのように眉を寄せていた。

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