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三度目の遭遇は休日の街中だった。

玲子からおつかいを頼まれた美里は雑踏の中に見覚えのある姿を見つけた。

茶色の髪に、白のワイシャツ。
ーー隼人だ。

美里が隼人に気づくのとほぼ同時彼も美里に気づいたように、にこりと微笑んだ。

この間見た底冷えのする薙の笑顔とは違う暖かい隼人の笑顔を見て、美里はほっとした。

「こんにちは、また会いましたね」

雑踏の間を器用に通り抜けて隼人は美里の横に並んだ。

「こ、こんにちは!
結城さんはこの近くに住んでるんですか?」

「えぇ。
今日は買い出しに来たのですが美里さんは?」

「わ、私は母に頼まれて…」

「そうですか」

ふわりと笑った隼人の顔はとても穏やかだったが何かに気づいた様に美里の顔を覗き込んだ。

「何かありましたか?」

「え?」

「何だか浮かない顔をしていたので…
何か嫌な事でもあったのかと」

そう言われて思いつくのは翼が帰って来ない事と、そして何よりーあの得体の知れない薙という青年の事だった。

「いえ、あの…嫌な事と言うか…」

言葉に詰まった美里を見て隼人は近くにあった喫茶店を指差した。

「僕でよければお話を伺いますよ」

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