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彼は先程からやかましい音を立てているキッチンへと視線をやり、そこにいる人物を見るとため息をついた。

「一体何してるんだい?」

「あれ、起きたの、賢斗」

「君がさっきから騒々しい音を立ててくれたおかげでね。
で、何してるか聞いてるんだけど?真希」

真希、と呼ばれた青年は賢斗を見てニコ、と笑う。

賢斗のどこか裏のある笑顔とは対照的な、屈託の無い笑顔。

ショートウルフ位の長さの明るい茶髪。

朝日屋 真希(あさひや まき)。

女の子のような名前だが、彼はれっきとした男である。

そして、賢斗とは中学生からの知り合いで所謂腐れ縁というやつだ。

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