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「あぁ、是非とも帰って欲しいねぇ。
知っての通り仕事があるし、何より俺は君が嫌いだ。
だから今すぐ俺の目の前から消えて、そのまま帰って来なくていいよ」

「酷いなぁ。
何でそんなに機嫌悪いのさ?」

「君が居るからだよ」

即答だった。
どうやら今は本当に機嫌が悪いらしい。
口調や表情はいつもと変わらないが、全体的に不機嫌な空気を放っていた。

何故だろう、と暫し真希は翼と賢斗のやりとりを思い出し、あ、と声をあげた。

「もしかして、賢斗、あの子を見て昔の事でも思い出しーー」

言いかけた真希の頬をヒュッと何かが横切り、後ろの壁に突き刺さった。
真希の頬から一滴の血が流れ落ちる。

恐る恐る振り返ると、真希の後ろにあるボードに刺さっているダーツの本数が、一本増えていた。

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