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「やだなぁ、そんなに警戒しないでよ。心配しなくても依頼以上の事はしないのが俺のやり方だからね。
なんてことは無い、ただの好奇心だ。大好きな父親を殺されたのに、精神的に追い詰めるだけで許せるのか、って話さ」

「...それだけで許せるわけ無いじゃない。
本当は殺してやりたいくらいだけど!それをやっても、お父さんはきっと喜ばない...」

声が震えて、思わず翼は下を向く。
弱い姿を、賢斗に見せたくは無かった。

しかしそんな翼の思いを知ってか知らずか、はたまた興味が無いのか、賢斗は言葉を紡ぐのを止めなかった。

「そう、まぁ君がそれで良いなら俺は構わないんだけどさ。
だけどね、これから復讐者になろうって人がそんな事で泣いてるようじゃあ、やっていけないよ?
業に耐え切れずに自殺するのがオチだ。最初から自殺するつもりだとかなら話は別だけど、君はそうじゃ無いんだろう?
なら気丈に居て貰わなくちゃね。じゃないと面白味が無い」

くく、と賢斗は短く嗤った。
その笑みは次の瞬間爽やかなものへと変わる。

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