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「仕方ないわ、まさか友達と出かけるなとも言えなかったし。
あの男ー真崎真人が『事故で』死んだだけ良いじゃない」

「ラッキーだったよね、『タバコの不始末』で火事になったんだから」

そこから後の会話は、翼の耳に入らなかった。

いってらっしゃい、と言って見送ってくれた父の笑顔。
燃え盛る家、帰って来なかった父と消防士。
火事は意図的なものかもしれないという警察の言葉。

そういったものが翼の頭をぐるぐると渦巻き、翼は確信した。
父を殺したのは、あの二人だと。

その時、翼の憎しみの炎は限界を超えた。

(許さない、許さない)

人を恨んではいけない、と言った父の優しい声が急速に遠ざかっていく。
変わりに翼の頭に響くのは、賢斗の声。

『お客様の炎が限界に達した時、またご来店下さい。
ーー俺はいつでも、ここにいるからさ』

ーー限界に達した時ーー

あの場所に行こう、と翼は決意した。

父を殺した奴らに、復讐しよう。
例え賢斗が語った学生と同じ道を辿ったとしても、必ずー


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