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聞き覚えのある声に振り返ると、そこには買い物袋を下げた玲子と美里の姿があった。

「玲子さん...?」

「翼ちゃん、これは一体どういう事なの!?あの人は!?」

混乱した様子の玲子と翼を消防士は現場から遠ざけて行く。

「危険ですので下がっていて下さい!」

「おい、中に人がいるらしいぞ!」

様々な声が飛び交う中、人が中に取り残されているらしいと誰かが言った。

「お父さんだ、お父さん!お父さん!!」

再び駆け出そうとする翼を消防士は押しとどめた。

「君はここに居るんだ!」

「でもお父さんが!」

「僕が君のお父さんを捜してくるから!だから君はこここに居るんだ!いいね!?」

その気迫に押されて翼は反射的に頷いた。
消防士はそれを見て一度笑うと燃え盛る家へと入って行った...

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