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廃ビル五階にある一つの扉の前で、少女ー真崎 翼ーはため息をついた。
「結局、また来ちゃった...」
服の袖から除く翼の手足は痣だらけだった。
顔にもガーゼが貼ってある。
『また』という言葉から分かるように、翼は一度ここを訪れた事がある。
ただ、その時は賢斗の話を聞いただけで帰ってしまった。
簡単に言えば、怖くなったのだ。
賢斗が語った、四人の学生の悲劇を聞いて。
復讐する事も、何よりあの終夜賢斗という青年が、怖かった。
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