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足音荒く悠希が部屋を訪れても賢斗は驚いた様子もなく悠然と座ったまま、パソコンを弄る手を止めず、悠希を見ようともしなかった。

「やぁ、今日は何の御用かな?」

悠希のキツい視線を浴びても賢斗は顔を上げない。

しかし、睨まれている事は分かったようだ。

「おっと、俺、なんか睨まれるような事したかな?
依頼はきちんとやったはずだけど。
あ、そうそう依頼と言えば彼らはその後どんな感じだい?」

「...園原は、家の汚職が暴露て一家共々行方不明だ」

怒りを必死に押し留めた声で悠希は答える。

「あぁ、彼女は園原財閥のお嬢さんだったっけ。
そういえば、ニュースでそんな話をやってたねぇ。
なんかの不正行為が見つかったんだっけ?」

悠希は無言で頷く。

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