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「ハハッ、何迷ってるのさ?
死にたかったんだろ?
ならさっさと飛び降りればいいじゃないか。
飛び降り自殺は途中で気絶するって言うし、この高さなら即死だろうから苦しみながら死ぬっていうのは無いんじゃない?
あ、でも後始末は面倒だよねぇ。まぁ俺の知ったことじゃないけど」

あくまで笑顔で、静かに、ゆっくりと、しかし確実に賢斗は二人を追い詰める。

「何度でも言おうか。
君達の罪は消えない。
業は何処までも何処までも只管只管君達を追いかけるんだ。
いくら目を逸らそうと、忘れようとしても逃げる事は叶わない。
これから先ずぅっと、ね」

もう十分だった。

自分達の罪から、詩音から、そして悠希から逃げるように二人は屋上の外、宵闇へと身を踊らせた。

一瞬だけ、空を飛ぶような感覚を抱くが......次の瞬間、少年達の体は下に広がる闇に吸い込まれるように落ちていく。

彼らが最期に見たのは、憎らしいくらいに眩しく輝く星達と、満足そうな笑顔を浮かべ、こちらを見下ろす賢斗。

全てがスローモーションに見える中、賢斗の口がゆっくりと動く。

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