3
深夜、誰も居なくなった学校の屋上に人影が二つ。
二人とも、数時間前までは元気な男子高校生だったのにその顔色は今は青白く、目は虚ろだった。
「俺は...」
一人は呆然と呟き、一人はゆっくりと首を振る。
「今更許して貰おうなんて虫が良すぎる」
その言葉に最初の人影ー五十嵐遼ーは弱々しく頷いた。
「そうだな...
俺達は人殺しだ」
遼は屋上の縁に立って下を見下ろした。
灯りが近くに無い為、不気味な闇が広がり、飛び降りたところで地面など無く、ただ永遠に落ちていくだけのような気さえする。
「なぁ要、要は天国って信じるか?」
遼の問いにもう一つの影...佐野要はしばらく考える素振りを見せ、遼の隣に立つ。
「...死ねば分かるさ」
「という事は君達は死ぬつもりなのかな?」
突然背後から違う声が割り込み、二人は驚いて振り向いた。
[ 23/38 ]
[*prev][目次][next#]