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「な…」

「あぁ、くだらない、実にくだらない!茶番もいいとこだ!
…ねぇ、俺の話、何処か間違えていたところあった?」

カナは恐怖に顔を引きつらせながら叫んだ。

「なんで…なんであんたがそんな事知ってるのよ!?」

「さあ、なんでだろうねぇ?
否定しなかったって事は、俺の話は間違って無かった、ってことだよね?」

賢斗の笑顔に気圧され、自棄になったようにカナは叫んだ。

「そ…そうよ!
あいつが、鈴村悠希が、カナの言うことを聞いていればあんな目に遭う事も、詩音が死ぬ事も無かったのよ!
カナの方がずっとずっと可愛いのにあいつが要を盗るからカナのものに手を出すとどうなるか教えてあげたのよ!
詩音も詩音よ!カナじゃなくてあんな奴の味方したんだから自業自得よ!」

すると賢斗は声を上げて笑い出した。
今まではクスリとしか笑わなかった賢斗が。

「ハハッ…ハハハ…アハハハハッ!!」

「な...なによ!!」

狂ったように笑う賢斗にカナは僅かに恐怖を覚える。

「あーぁ、やっちゃったね、園原さん?
だから君は馬鹿なんだよ」

未だくくっ、と笑いながら賢斗はどこか哀れむようにカナを見た。

「ねぇ、俺が何の用意もせずにのこのこ来ると思った?
残念だったねぇ。あれ、なんだと思う?」

意地悪く笑いながら、あくまでいつもの調子で、なんてことないように賢斗はカナの真後ろにある段ボールを指差す。

一見、なんの変哲もない段ボール。

「知ってる?近頃の盗聴器とかカメラってかなり小型なんだよ、凄いよねぇ」

その言葉に、カナの顔がみるみる青ざめていく。

それを愉しそうに見ながら賢斗はカナに問いかける。

「さて問題です。
あの盗聴器とカメラ、どこに繋がっているでしょうか?」

あまりのショックに言葉を失うカナ。

「正解は――」











賢斗は資料室の奥に隠れていた扉をガチャリ、と開けた。

「君の忠実な騎士達の所だ」

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