3

「……味方だった?」

賢斗が悠希の話を中断させる。

「そう、味方『だった』。
詩音はもう居ない。
あいつらに…園原カナに…殺されたんだっ!」








その日は雨で、悠希は傘を教室に忘れたと言って取りにもどった詩音を昇降口で待っていた。
ふと空を見上げた時、屋上に人影が見えた。

どうやら争っているらしく、1人の人物が縁に追い詰められている。

その人物をはっきりと認識した時、悠希は青ざめた。

「詩音!?」

間違いなく追い詰められているのは傘を取りにいったはずの詩音で追い詰めているのはクラスメイト達だった。

つい、とカナが前に出て詩音に何か言う。
詩音が言い返すとカナは詩音を突き飛ばした。
支えを無くした詩音はまっ逆さまに落ちていく……

「詩音っ!!」

慌てて駆け寄る悠希を嘲笑うかのように詩音の体はアスファルトに叩きつけられた。
辺りに緋色が広がる。

悠希は構わず詩音に駆け寄ると詩音を抱き締めた。

「詩音、詩音っっ!」

しかし、いくら悠希が呼び掛けても詩音が目を開けてくれる事は無かった――







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