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ピピピ……というアラームの音で、意識が現実に戻る。
部屋に鳴り響く音の発生源を手探りで探し当てると、スイッチを押して音を止める。
ベッドの上の丸まった布団がもぞもぞと動いたかと思えば、一人の青年が酷く億劫そうに顔を出した。

「……夢…」

ぼそりと呟いて、目覚ましなど無かったかのように青年が再び布団に潜り込もうとした時、ドアをノックする音が聞こえた。

「湊!!朝だよー」
「おーい起きろー!!!」

ドンドンと先程のアラーム音よりも喧しいノックの音と話し声に、のろのろと布団から抜け出した青年は眉間に皺を刻みながら扉を開けた。

「あ、出てきた」
「今日は早い方だな!」
「……朝からうるさい」

ドアをノックしていたらしい黒髪と赤毛の2人の青年の言葉を無視して、青年は一言だけそう言うと、バタン、とドアを閉めてしまった。

「ちょ、おい、湊!
いい加減起きろよ!?」
「大丈夫だよ、燿。
仕度の為にドア閉めただけだから」

扉越しに聞こえる会話に、青年はため息を吐くとドアの向こうの友人の予言通りに身仕度を始めた。


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