琴子から"危険なテレビ"を探してほしいと頼まれてから早五日。


「はあ…」
僕は自習の時間に人知れずため息をついた。探しても探しても見つからない"危険なテレビ"はいったいあの山のようなテレビのどこにあるんだろうか?課題をやる気などもちろんない僕は、机に突っ伏した。近くの席のクラスメートの会話が耳に入ってくる。

「そういや、そろそろ完全に地デジに変わるんだよな。」
「そうそう、アナログじゃなくなるんだろ?やべぇ、俺んちまだブラウン管のテレビなんだけど!まだ地デジ対応のやつ買ってねぇし。」
「俺んちもまだだよー。…そういえばさ、学校のテレビも買い換えなきゃなんないらしいぞ。」
「マジで?あぁ、でもこの間学校中のテレビを運び出してたよな。」
「そうさ。古いブラウン管のテレビ、あれ意外と重いんだけどさ、全部倉庫に押し込んどいたの。生活委員が駆り出されてさ、もう大変だったぜ。」
「お疲れー(笑)。ところでさ、""未来を写すテレビ"の話って知ってるか?」
「知らなーい。なにそれ。」
「俺は姉ちゃんから聞いたんだけど、この学校には、見ている人の未来を写すテレビがあるんだとさ。」



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