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僕はいきなりのことに驚いて、ただ呆然と彼女を見ることしか出来なかった。
じゃあ、と言って彼女が去ろうとする。

「待てよ!」

無意識のうちに僕は彼女を呼び止めていた。
周りの子ども達の注目が僕たちの方に集まったが、気にしない。
彼女はゆっくりとこちらのほうに振り返った。

「……何ですか。」
「いや、何ですかはこっちの台詞だ。いきなり嫌いとか言われたんだから。」
「意味が解らないんですか?私は貴方が嫌いです。」
「もっかい言うな!」
「じゃあ何なんですか。」
「あのなぁ……いきなり話しかけてきたかと思ったら、嫌いです。だぞ?どんな人間でも嫌になるだろうが。」
「……なるほど。そこまで考えていませんでしたね。」

次回からは、などとブツブツ独り言を言っている。

こいつ、全く先を考えてなかったな……

僕はそのあまりの考えなしに内心拍手を送りたくなった。




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