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「私は貴方が嫌いです。」
それが僕がはじめて会った彼女に言われた言葉だった。
よく晴れた夏休み中のある日のこと。
僕は宿題など放っておいて暇つぶしに公園に来ていた。
小学校低学年くらいの小さい子はたくさん見掛けるが、僕くらいの歳の奴はどこを見てもいなかった。
僕は木の下のベンチに座って本を読んでいた。
しばらくして。
僕は本に集中していたのか、気付いたら隣のベンチに同い年くらいの女子が座っていた。
彼女は焦げ茶の髪をボブスタイルにしていて、全体的にほっそりしていた。
白のノースリーブのワンピースがよく似合っている。
ずっと子ども達が遊んでいる方を見ている様だった。
……かわいい。
そう思い、僕はしばし本を読む手を止めて彼女を見ていた。
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