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「また会いましたね、足立さん。」
「何故話しかけてきた!笠原、僕のこと、嫌いなんじゃなかったのか?」
「そうですよ、嫌いです。でも、通り過ぎんとする足立さんの顔には、明らかに私を避けたい!と書いてあったので。」
「なんで毎回僕の心情を当てるんだ!」
「だから顔に書いてあるんですってば。」

このままではやられっぱなしである。
こんな悔しいまま終わってたまるか!
そういえば、と言って僕は話を反らす。

「笠原、お前入院してたの?」

彼女は驚いた目で僕を見る。

「……何処でその情報を手に入れてきたんですか。」
「情報通から、と言っておこうか。」
「まぁどうせ、新学期になれば学校で発表されるんです。今知っているからといって、どうってことありませんよ。それに……」

彼女は急に言葉に詰まった。

「どうしたんだ?」
「いえ、なんでもありません。今のは忘れてください。」
「はぁ…」



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