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唖然とする僕を見ながら、明久は僕に聞いてくる。

「その様子だと知らなかったみたいだねぇ。で、急に笠原さんのことを知りたいだなんて、どうしたんだい?」
「それがだな、………」

僕は明久に昨日のことを話した。

「彼女、いつの間に退院したのかな?」

……大事なのはそこじゃないんだが。
僕は明久を睨む。

「あぁ、ごめんごめん。海翔にとっての大事なことは笠原さんが退院してたことではなかったね。で、君はいきなり嫌いだと言われたのに、何か嫌われることをした記憶はない、と。」
「あぁ、そうだ。今日お前に言われるまで、彼女がうちの学校の人間であることさえ知らなかったんだ。」
「そうか…とすると、君が勝手に自分の記憶改ざんしてしまったか……それこそ、僕らが覚えてない位に小さい頃に何かあった、とかそんなところではないのかい?」
「…その可能性は否定出来ないな。」

しかしなぁ……

僕には幼い頃に笠原秋葉という女子と親交があった記憶はない。
僕は自分はわりと記憶力が良いほうだと思っている。

「僕も笠原さんのことは気になってたんだ。ちょうどいいし、調べてみるよ。」「あぁ、頼んだ。」

さっそく情報収集するという明久と別れた後、僕の足は自然と公園へと向いていた。




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