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「…一つ聞いて良い?」

ある日の食卓で、少年は少し真面目な顔で静貴と向かい合った。

「ん?なんだ?」

「あんた、仕事何してんの?」

少年の問いに、静貴はそのまま固まる。
対する少年は、嘘をつく事など許さないとでもいうような眼差しで静貴を見つめたまま、言葉を紡いだ。

「ずっと気になってたんだ。
あんたはぼくの傷を見ても驚いた顔なんて全然しないし、仕事に行くのも不定期だ。
それにあんたの書斎にある本、専門書がやたら多いし、ぼくに教えてくれる事だってハイレベルな時もある。それに、こんなもの普通の家庭にあるものじゃないでしょ?」

そう言って少年がごとりと机に置いたのは、黒光りする拳銃。

「お前…これ…」

「書斎に隠してあった。
モデルガン、なんて言わないでよ?」

簡潔に答え、少年は再び静貴を見据える。
その視線に晒された静貴は困ったようにぐしゃぐしゃと頭を掻いた。

出来れば、知られたくない事だ。
しかし仮にここで上手く誤魔化せたとしても、これからも隠し通せる自信は無い。

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