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真希のその言葉に、賢斗の足がピタッと止まった。

「それは、君の価値観に過ぎないよ」

一瞬の間の後、賢斗は再び歩きだす。

「君が綺麗だと感じても、他の人間はそうは思わない。
知ってるかい?赤い目の子は災いの子なんだ」

「じゃあ賢斗は、自分が災いの子だと思ってるの?」

「否定はしないさ。
人間からしたら、俺は間違い無く災いだ。俺自身、そうなる事を望んだからね。
最も、俺は何もしてない。ただ…そう、ちょっと背を押してやってるだけだよ」

誰の背中をどう押してるのか、はっきりとした事は言わなかったけれど、真希にはなんとなく分かった。
彼は、人間が大嫌いなのだから。

「でも、僕にとっては友達だよ。賢斗も、賢斗のその瞳も、嫌いじゃない」

「そう、俺は君が嫌いだよ。
それに君は俺にとって、その他大勢でしかない。
俺は人間全てを等しく憎んでるからね」

いつもの調子で返す賢斗を見て、真希は思い出す。

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