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「あ、ねぇ君!賢斗見なかった?」
たまたまそばを通りかかった同じクラスの女子生徒に問いかける。
「終夜君ならさっき体育倉庫の方に行くの見たよ」
「本当?ありがとう!」
にこ、と笑顔で言うと女子生徒も笑顔を返す。
「仲良いんだね、朝日屋君と終夜君って」
「そうかな?そう見える?」
「うん。ほら、終夜君っていつも一人じゃない?近寄り難いっていうか…
でも朝日屋君とならよく一緒にいるから、仲良いなって」
そうか、外からはそう見えるのか。
そう思うと可笑しくなって真希はふふ、と笑った。
賢斗の嫌そうな顔が目に浮かぶ。
「僕が勝手に賢斗に付きまとってるだけだよ。
じゃあ僕その賢斗を探しに行くね、ばいばい!」
笑顔で別れを告げると、真希は体育倉庫へと急ぐ。
そういえば、と真希は思考を巡らせる。
なんでまた体育倉庫なんかに?
まさか、と嫌な考えが過ぎり、真希は足を速めた。
体育倉庫は静まり返っていた。
賢斗はもう居ないのだろうか?
そう思った真希がその場を去ろうとした時、中から微かに呻き声が聞こえた。
それと、クスクスと小さく笑う声も。
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