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放課後。


私が帰り支度をしていると、真緒がやってきた。
真緒は幼稚園からこの学校に通っていて、実家は病院を経営しているらしい。
また学年トップクラスの成績を誇る桜組の秀才でもある。

「やぁ、優香。今日の昼はいいものを見せてもらったよ〜。まさかあーんだなんて。やるねぇ。実は君たちデキてるんでないかい?」

「ま、真緒!そんな冗談やめてよ〜。文子は私な親友だってば。そんなデキてるとかいわないのっ!…というかその口調……」

「そう…まぁ優香がそういうならいっか。あちらさんはなんか不満みたいだけどねぇ。」

(あちらさん……?)


そう思って真緒が向いたほうを見ると、文子がこっちを見ていた。
文子と目があった。
何か言いたそうな目をしている。


文子はついっと顔を逸らし、私から逃げるように教室を出ていってしまった。


(文…子……?)


「ちゃんと気付いてあげるんだよ?じゃあねっ!また明日!」

「あっ…ちょっ!……行っちゃった。」

「ゆーうーかーっ!一緒に帰ろ〜」


教室の外から近所に住む知枝が声をかけてきた。


「あ…うん!支度まだ終わってないからちょっと待って。」


(文子……さっきのどういう意味なんだろ…)



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