男はいつものように松永のもとに現れた。

普段であれば「ああ、きたか」と思う松永であったが、今回は様子が違う。なぜなら、松永が果心に頼むような殺し相手がいないからである。

「別れを言いにきた」

「別れ?いずこへ行くのだ」
松永は己でも驚くほど明るい声でいった。

「さあな」

意味深な笑みと共に去っていった異形に松永は首を傾げた。


数日後、松永は平蜘蛛と共に爆死した。
異形はそれを予知していたかのように弾正のもとを去っていた。

その後、異形は信長に捕えられた。

男はその業を披露し、仕官を申し出た。信長は果心の術には感服したが、仕官は許さず、異形は結局、牢に入れらることとなる。





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