愛する女との間に産まれたのは、
真っ白の髪と肌と、
真っ赤な両眸をもった
人ではないかのような子だった
しかし女にとっては、唯一の実子だった
人々はその子を不吉に思った
その子は妙に光を嫌った
魔物のような性質に
人々はさらにその子を遠ざけるようになった
だがその子は賢く、大人びていた
女と子の義兄は、その子を大事に育てた
ある日のことだった
自分の失態で、子の義兄が死んだ
女は大いに悲しみ、郷里へとついた
子は、片目が灰青色になり、
髪は一部を残し、黒くなっていた
よくみると自分にそっくりだった
自分を戒めるようなその眸に、
苛立ちを憶えた
かつて愛し合った女は、もう戻ってこない
何故、この子だけがーーー
憎しみが、初まる
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