(ジタンとクジャ)
僕にとって君は、誰よりもなによりも好きで好きでたまらないたった一人の大好きな義弟。
願って叶うなら、本当はずっとずっと一緒に居たかった、僕よりまだまだ小さい君の躯を優しく抱きしめていたかった、小さなその手を包むように握っていたかった。
でも、神様は無情だったんだ。
「ねぇ、僕の仕事をジタンに変わらせるって話し、本当なの…!?」
「嘘をついてどうする?お前よりあいつの方が適任なんだ」
「なに言ってるの?駄目に決まってるじゃないかっ!ガイアの魂の循環を乱すなんて仕事あの子には任せられないっ!」
「奴より自分の方が適任だとでも言いたいのか?」
「違う、そうじゃないっ!あの子は、ジタンは優しい子なんだっ!だからジタンにそんな仕事はさせたくない、させられないっ!」
「五月蝿い。もう決まったことだ。お前たちは大人しく従っていればいいんだ」
もうこれは君を何処か遠くに捨てるしかないと思った。
こんな場所にこれ以上君を置いておいたらどうなるかわからない 。
その頃まだ未熟な僕にはここから二人で逃げ出す術をもっては居なかったから、君を僕の手でガイアの地に捨てたんだ。
(ごめんね…、ジタン)
(もっともっとずっと)
(一緒に居てあげたかった)
(でも君が君である為には)
(こうする他ないんだ)
(ねぇ、ジタン)
(離れて居ても僕は)
(僕は…)
(君を愛してる)
ジタン、君を捨てたことは許されないことだとわかっている。
もしかしたらアイツだけじゃなく君にも恨まれるかも知れない。
でも、僕は僕が嫌われることよりも君が君じゃなくなってしまうことが怖いんだ。
さぁ、君は幸せにおなり。
その後、発狂し暴走した僕を君が止めてくれるのは、そう遠くない未来。