※現代学パロ
(三郎と雷蔵)
ざあぁ、と止む事のない音に半ばいらいらしながら布団を頭までかぶった。いつだか三郎はこう言った。「雨は嫌いだ。でも、雨の後のあの空気は凄く好きだな」と。僕は今まで雨なんて五月蝿いし外に出れないしじめじめしてて髪型は最悪の状態になるしもう本当に鬱陶しい事このうえないと思っていた訳で。でも三郎は雨の後が好きだなんて言うから、ほら。雨が止むのを少なからず楽しみに待っている僕がいる訳で。この分だと明日の朝に雨は止んでいるだろう。その空気の中、毎朝迎えに来る三郎と一緒に登校。うん、いいかも知れない。ねぇ?君に浸食されていく僕。じわりじわりと排水口に吸い込まれる雨水のように。…早く、明日が来ないだろうか、
(早く、三郎が来ないだろうか)