自由倉庫 Freiheit ::絶対強者決定戦【チーム戦】・前日譚(長編巨人中パロ・Titan Hunter) ※巨人中パロ 簡単なあらすじや設定→こちら ぱっぱらっぱっぱっぱっぱー! ここはTitanと呼ばれる怪物が跋扈する世界にあらゆる武器と装備で戦うハンティングアクションゲーム『Titan Hunter』の第21地区。 ケニーの一閃と私の一撃が入った瞬間に敵が力尽きて勝利のファンファーレが鳴り響いた。さらに画面いっぱいに【Quest Clear!!】の文字が浮かぶ。 【12分38秒……ま、こんなもんか】 【爆弾持ち込んだらもっと早く倒せたかも】 チャットで会話しながらアバターの戦闘モードを解除して、それぞれの得物をしまう。ケニーがナイフで私が銃だ。お互い一通りの武器は扱えるけれどこれが一番だった。 ラストアタックを決めたのが私だったらしく、報酬諸々がパソコン画面に表示される。半分をケニーに送るように設定していると、ケニーの発言がポップアップで新しく表示された。 【珍しいもんあったか?】 私は返信する。 【んー、今回はなさそう】 【そういや聞いたか?】 【何を】 【《絶対強者決定戦》がまた開催されるんだと。今度は個人戦じゃねえ、チーム戦らしいぜ】 《絶対強者決定戦》とは『Titan Hunter』ゲーム内で誰が強いのかを競う大会だ。予選を経てトーナメント形式で勝負が進み、前回の個人戦では私とケニーが決勝を争った。 そして今回行われるのがチーム戦らしい。 縁のない話だと思った。チーム戦ということは個人戦と違って一人では出場出来ない。 今はこうしてケニーと一緒にいるけれど、基本的に私のプレイスタイルは一人だ。ずっと一人。 別に一人でも遊べるし。 別に一人でも楽しいし。 別に一人でも面白いし。 【ふーん】 とりあえず相槌を打っておく。 ゲームの私をリアルでは当然誰も知らない。隣で暮らすリヴァイさんも。別に知って欲しいとは思わない。むしろ知られない方がいいと思うし。 だから私は出場出来ない。だって一人だから。 黙々と報酬の仕分けをしていると、 【――だからよ、一緒に出ねえ?】 思わず目を疑った。でもパソコン画面は間違いなくそう表示してある。 一瞬考えてから返事を打つ。 【ケニーは普段からチーム組んでるんでしょ? その人たちと出場しないの?】 【あいつらその日は都合悪いんだとよ】 上位に食い込めばせっかく豪華景品がもらえるのにとケニーがこぼす。 【まあ、お前が出たくねえなら別にいいけどよ。適当にそこら辺のヤツに声かけて――】 【出る出る絶対出場する!】 こうして、大会には二人でエントリーすることになった。そのまま調子に乗ってもう一狩り行くことにした翌日は当然寝不足で、朝に小さく欠伸をしながら朝食を並べていると、 「昨日の晩は何してやがった」 鋭い目でリヴァイさんに問い詰められてしどろもどろしてしまった。 ----- 排球中編『フラワーサークル・ライフ』書きながら書きたかった裏話。 巨人中パロだとゲーム内仲良しな二人ですが現在沿いはどうなるのかなと。 back ×
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