自由倉庫 Freiheit ::今日はわたしが誕生日(王子様シリーズ) ベルトルトはかっこいい。わたしが特にかっこいいなと思うのは、あの大きな身体でしなやかに立体機動を操る時とか、対人格闘で長い手足で俊敏に相手を圧倒する時とか、それから――チェスをする時の横顔とか。 チェスをする正面じゃだめなんだよね。だってわたしはチェスとか出来ないしルールも知らないしベルトルトの前に座ったらベルトルトのことだけ考えたいし。 だから今、すごく幸せ。 こんなにすぐ近くでベルトルトのことを見つめていられるなんて。 わたしがうっとりしていると、 「なあ、本当にこれでいいのか」 ベルトルトの対戦相手、ライナーが怪訝そうに言った。 「お前が朝から誕生日プレゼント寄越せってうるさいから要望聞いてやればベルトルトとチェスしろってどういうことかさっぱりわからん」 「この特等席でベルトルトを見つめていられるなんてこの上ないプレゼントだよ」 「せっかくの機会にお前がもっと欲深いことを頼まないのが意外だな」 「そりゃあ一番欲しいのはベルトルト本人だけど――」 「チェック。僕の勝ちだね、ライナー」 わたしたちが会話するうちに、ベルトルトが静かに王手をかけた。 ----- ベルトルトの誕生日は祝ったけど夢主の誕生日ネタは特に書いてなかったなあと思ったので。 あとチェスしてるベルトルトってやっぱりかっこいい。 続くかもしれないし続かないかもしれない。 back ×
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