自由倉庫 Freiheit ::短編未満Aの続きの続き(兵長) 「オルオさん?」 薄暗い書庫を覗き込めば、オルオさんが手招きして迎えてくれた。 「お前一人ってことはグンタとエルドは兵長にやられたということか……」 「ええ。足止めして下さって……」 それにしてもこの状況は一体何だろう。相変わらずわけがわからない。 首を傾げていると、 「これで残るは俺とぺトラか。さすが兵長だな。――だがお前は俺たちが守る。心配するなよ」 渋い顔をしながらも力強い言葉をかけてくれるオルオさん。この人は下手に格好をつけない方がかっこいいんじゃないだろうか。 「どうして私のことをそこまで?」 今日まで生き残った兵士としてそこそこ関わりはあるものの、同じ班ではないので深い繋がりがあるわけではないのに。 するとオルオさんは私に背中を向けた。 「お前が泣くところはみたくねえんだよ、俺たち。まさか兵長があんな風になるとは……」 一体兵長の身に何が? 「つまり……今の兵長はいつもの兵長と違う、ということですか」 「ああ、そうだ。誰の手にも負えねえよ」 ----- ここまで書いているのなら最後まで書けばいいのに。 back ×
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