自由倉庫 Freiheit ::短編未満Aの続き(兵長) ※短編未満Aの続き 「で、どういうことなんですか? 説明して下さい」 立体機動装置の訓練場に立つ高い高い木の上で、私はエルドさんを問い詰めた。 「お前のためだ」 「……兵長が私を探しているんですよね?」 「ああ、そうだ」 「じゃあ、行きます。リヴァイ班の皆さんには悪いですけれど」 立ち上がって木の上から降りようとすれば、ため息をつくエルドさん。 「どうなるかわかってるのか?」 「わかりませんけど……どうなってもいいです。兵長がそれをお求めなら」 この心臓は、この身体は、この精神は兵長に捧げている。あの人に扱われるならば捨てられようがどうなろうと構わない。 するとエルドさんがぐっと歯を食いしばった。 「正直に言おう。兵長のためでもあるし、お前のためでもある! もちろんこれは俺たちの独断だ。何が一番の選択なのかは誰にもわからない」 真剣な声につい聞き入ってしまう。しかしそれにしても私の身の周りで一体何が起こっているのか。 「ただ俺たちは『変わらない方が良い』と思っている。そのためにお前を兵長と会わさないように尽くしているんだ」 正直、全然よくわからない。でも、特別作戦班が総出でこんなことをしているのだ。きっとただ事ではないのだろう。 「何があったんですか」 「ああ、実はハンジ分隊長がだな――」 と、そこで気配がした。 あんなに速く立体機動装置で動ける人は限られている。 「グンタはやられたか……。俺もどこまでやれるかはわからんが力は尽くす。時間を稼ぐからここから回り込んで書庫へ行け。オルオがそこにいる」 本当に、今日のリヴァイ班は一体どうしたのだろう。こうなってしまえば指示に従うしかない。 「……それでは、ご武運を」 私は木を降りて、言われた通りに書庫へ向かうことにした。 ----- 続きがあるなら出そうと思って。 back ×
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