自由倉庫 Freiheit ::Happybirthday,Bertolt Hoover!-2015-(王子様シリーズ) 「誕生日おめでとうベルトルト! 生まれてきてくれてありがとう!」 思いの丈を声を張り上げて伝えるとベルトルトは困ったような表情になった。 「もしも……」 「ん?」 「もしも、壁の中にいるすべての人類が、僕を『生まれなければ良かったのに』って口にしてもそう言える?」 わたしは首を傾げた。 「それってものすごい状況だね」 「たとえ話だよ」 「うーん……」 あまりに非現実的かつ絶望的すぎる話で、正直うまく想像出来ない。 でも、 「大丈夫だよ」 「え?」 「大丈夫だよ、ベルトルト。わたしが世界中の人の分だけたくさんお祝いするんだから、そんなことは気にしなくてもいいよ」 わたしが笑って仰げば、 「ありがとう」 困ったように、切なそうに――それでも少しだけ嬉しそうに、ベルトルトが答えてくれた。 ----- ま、間に合った……! ベルトルトハッピーバースデー! back ×
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