自由倉庫 Freiheit ::可愛いなんて言えなくて(長編巨人中パロ・体育大会) ※巨人中パロ 簡単なあらすじや設定→こちら 今日は学年対抗の体育大会だ。よく晴れて、まさに絶好のスポーツ日和。 チアの衣装に着替えた私は黄色いポンポンを手にグラウンドへ出た。髪に巻いた赤いリボンが風に揺れる。 「きゃー! かーわーいーいー!」 「大げさだよ、ペトラ」 「だって本当に可愛い! 似合ってる!」 「そんなことないよ、ペトラが着たら良いのに。絶対似合うよ」 しかしペトラは優秀な得点ゲッターなので、あまりわがままは言えない。 私は気合いを入れて同学年の皆の前でポンポンを揺らす。 「今日は頑張ろうね!」 ポーズを決めればなぜかグンタさんが鼻血を出して倒れた。 もうすぐ開会式が始まるので移動する。その途中で視線を感じて、顔を向ければリヴァイさんがいた。一人で校舎の入口にもたれて腕組みしている。 少し考えて、闘志をみなぎらせる皆からそっと離れ、私はリヴァイさんの元へ駆け寄る。 「開会式、始まりますよ?」 「すぐ行く。――それよりお前、その格好」 「どうですか?」 くるりとその場で回ってみせると、 「か……」 「か?」 「……風邪引いても知らねえからな。そんなに腹出して」 そんなにお腹、出してないけれど。跳んだり、腕を上げたら、たまにちらっと見えるくらいで。 でも、もう秋の空気は時々冷たいくらいだし、身体を冷やさないようにしよう。風邪は引きたくない。 「そうですね、気をつけます」 頷いてから微笑んで、私は背伸びをしてリヴァイさんへこっそり耳打ちする。 「今日は学年対抗ですけれど、リヴァイさんのこともこっそり応援してますから頑張って下さいね」 ----- 漫画版のピンクのチア服もアニメ版の赤のチア服も可愛くて、つい。 back ×
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