自由倉庫 Freiheit ::舞踏会ヒンタービューネ(断章の羽根) 「兵長。手はそんなに握らないし、身体もくっつけ過ぎです。こんなに密着したらろくに動けないし女性に訴えられても文句言えませんよ?」 「お前が訴えなきゃいい話だろうが」 「私以外の人と踊ることも想定して下さい」 「踊らねえ」 「兵長、マナーでルールですよ」 出資関係のパーティーへ出席することになった。驚くなかれ調査兵団の兵士がほとんどが出席することになって、最近は誰もがそわそわしている。 ちなみに私が一通り踊れるのは、昔まだゲデヒトニス家にいた頃にアルト様が戯れで教えて下さったおかげだ。 「お前は踊るのか。他の男と」 「誘われたら、ですけれどね。それがマナーでルールです」 「知るか。踊るな」 困ったなあ。 とりあえず、練習を再開することにする。 兵長はこの手のパーティーに今まで出席しなかったらしい。それを今回は乗り気だなんて、どんな風の吹き回しだろう。しかしさすがというべきか、兵長はあっという間にステップをマスターした。 「これだけ踊れるなら充分です。あとは周りとぶつからないように注意を払うくらいでしょう」 私は時間を確認して兵長から離れた。 「次はモブリットさんに教えに行きます。ケイジさんにシスさんに――私が一番心配なのはゲルガーさんですよ。トーマさんもどうかな。ああ、そういえばグンタさんにも頼まれているんでした」 「手分けしろ。兵団にいる女はお前だけじゃねえだろ。ペトラやニファにも手伝ってもらえ」 ----- ここで力尽きました。 ヒンタービューネ…舞台裏 back ×
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