自由倉庫 Freiheit ::新兵一年目編A 「ネス班長、すみません。長距離索敵陣形について教えて下さい……」 「んん? ああ、お前だけ他の新兵と区分けにされて訓練してるんだったか。まだ教えてなかったな」 その言葉に、私の中で何かが決壊した。 「そうなんですよ。ミケ分隊長考案の特別スパルタメニューやってるんですよ私は。そもそも何で私ミケ班なんですか。まだ新兵なのに。……訓練兵だった時、援護班に独断で加わったから目を付けられたのでしょうか?」 「いや、違うだろう。あれで何人かは間違いなく助かったしな」 「東方訓練兵団から調査兵団を選んだのは私だけだからまだ知り合いもいないしゲルガーさんは意地悪だしナナバさんはクールだしトーマさんはあまり話してくれないし。何だか、ちょっと、自分の立場や関係をどうすれば良いかわからないというか」 「――まあ色々大変だろうが心配するな。生きていればそのうち何とかなる! なあシャレット?」 ネス班長は愛馬を撫でながら言った。 「…………」 簡単に言わないで欲しい。 ----- 一年目も一年目なりに苦労し苦悩する。 back ×
|